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借地権割合とは?

借地の割合

借地権割合とは借地権を相続、遺贈する際に該当の土地を評価する際に、土地の価格に対して借地権がどの割合を占めているかを表したものになります。
評価方法として路線価と面積を積算したものに、借地権の割合がどの程度あるかを国税局が表示しています。これは土地によって条件が違うため一定の補正をかけて評価したものになります。
商業用地や、土地の形状、地勢など様々な要因によって補正がかかっています。

この借地権割合について解説していきます。

目次

借地権割合ってどう使うの?
路線価の借地権割合を使うときの注意点
売買時は借地権割合を使って評価額は算出しない!
似たような言葉の借家権割合とは!
借地権割合と底地割合とは

借地権割合ってどう使うの?

All About

参考:All About

●「借地権割合」を使うのは一定の場合だけ!?

借地権には、建物の所有を目的とする「地上権」と土地の「賃借権」があります。その一方で、税法の解説などには「地上権」「区分地上権」「地上権割合」などの用語も出てきますが、この場合の「地上権」には「建物所有を目的とする地上権」が含まれないことに注意が必要です。

また、一般定期借地権や事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的の借地権では別の方式による評価方法が定められており、「借地権割合」による評価ではありません。

一般の住宅またはマンションの敷地評価において「借地権割合」を使うのは、旧借地法または新借地借家法による地上権または賃借権の場合と考えればよいでしょう。


●「借地権割合」と実際の売買価格評価は別

「借地権割合」が相続税または贈与税における土地評価に用いる「路線価図」に記載されていることからも分かるように、「借地権割合」も同じ目的で使用します。

また、建物の所有を目的とする「地上権」と土地の「賃借権」では、土地を借りる側からみた場合に「地上権」のほうが強い権利です。地上権は登記することができるうえ、土地上の建物を第三者に売却したり転貸したりすることも自由です。

それに対して「賃借権」の場合は、建物の売却や転貸にあたり土地所有者(地主)の承諾が必要なほか、その際に「承諾料(名義書換え料)」を求められることも往々にしてあります。

しかし、「借地権割合」には地上権と賃借権での違いがないほか、個別の条件(地主と借地人の関係、旧法と新法の違いなど)を反映する仕組みにはなっていないのです。

借地権を売買する際や、底地(地主の権利)の買い取り交渉をする際などに「借地権割合」を参考にして価格を算定することは多いものの、必ずしも連動するものではないことを理解しておきましょう。

もちろん、契約更新のない定期借地権などの売買価格評価では、その残存期間や契約条件が大きなウェイトを占めるのであり、「借地権割合」が使われることはありません。



こちらは借地権割合ってどうゆう場合に使うのかを解説しています。
借地借家法(新、旧ともに)の地上権または賃借権に該当する場合のみ使うと思っていていいでしょう。

借地借家法の詳しい解説はこのサイトでも解説しているので是非ご覧ください。

路線価の借地権割合を使うときの注意点

長瀬不動産鑑定事務所

参考:長瀬不動産鑑定事務所

路線価の借地権割合を使うときの注意点

相続税路線価の借地権割合を利用して、借地権価格を算定する場合、以下のような問題点があることを考慮して下さい。

① 標準的借地権を前提とする
路線価の借地権割合は、標準的な借地権を前提としています。
従って、個々の借地権によっては、期間の長短、賃料差額の大きさ、賃料改定の経緯等で、当該借地権割合では妥当でないことも少なくなく、個別性を反映した価格判断が必要であり、専門家の意見を聞く方がいい場合が多いです。

② 現況利用が最有効使用でない場合
最有効使用とは、土地の効用が最大限に発揮される使用方法のことです。

例えば、共同住宅が最有効使用で、現況利用が戸建住宅であった場合、路線価の借地権割合を使うことは非常に問題があります。
何故なら、共同住宅が最有効使用の場合、土地の利回りは地域によって異なりますが3~4%期待でき、それにも拘わらず、継続地代として1%足らずしかもらっていないのに、借地権価格を更地価格の50%認めるのは、あまりに土地所有者である賃貸人に不利益となり均衡を失するからです。

このように、最有効使用より劣る使用制限があることを契約減価と言います。
地代は使用収益によって得られる収益を原資とするため、現況の使用内容によって基本的に定まり、最有効使用が共同住宅であろうと戸建住宅であろうと、賃料は大きく変わりません。
しかし、借地権価格は、最有効使用が共同住宅か戸建住宅かで大きく異なるのです。
現況利用が最有効使用より劣る場合、最有効使用を前提とした差額賃料より小さくなるため、借地権価格は低くなるのです。

こちらは売買価格についての注意点になります。
聞きなれない言葉もありますが、言っていることはそんなに難しくありません。

まず借地権割合を売買で使用する際は標準のケースにしましょうということです。特約などの諸条件がある場合は個別対応が必要になるからです。

また土地の活用法については、「一番収益性が高い仕様をしているもので計算しますよ」ということです。

そうでない場合は個別の調整があるため借地権割合を使うのは向いてないですということです。

売買時は借地権割合を使って評価額は算出しない!

RESMART

参考:RESMART

実際に借地権を売買する場合には,借地権割合を利用して算出した借地権価格とは異なる価格で売買が行われるのが通常です。

借地権割合は,あくまで相続税課税のために決められている指標ですから,実際の借地権の評価額とは異なるケースがほとんどです。借地権割合を利用して借地権価格を算定した場合には,借地権の対象となっている建物の種類,用途などの具体的事情は価格に反映されていません。
また,重要な点として、借地権には存続期間があります。売買の時点での借地権の残存期間がどの程度あるかについても,借地権割合を利用した借地権価格の算定には反映されていません。

さらに,借地権を売買する場合には,地主の承諾が必要であり,また売買後に買主が建物の建て替えを予定している場合にも同様に地主の承諾が必要です。その際に必要となる承諾料た、必要経費が掛かってきます。路線価を用いて土地の金額を算出した場合,そのような経費などが含まれておらず、考慮する必要があります。

したがって,実際の売買においては,単純に借地権割合を利用して算出した借地権価格はあくまで参考に止め,別途個別の事情に応じた借地権価格を算定することになります。

上の2つの記事でも解説していますが、借地権割合を使用する場合のほとんどは相続、遺贈に関する場合です。
借地権割合はあくまで一般的な土地の評価をもとに税金をとるための指標なので、個別の不動産の事情に対して設定されているものではありません。

売買する際は、個別事情(土地、期間、条件など)を反映させたものが価格となるので、路線価=売買価格ではなくなるのです。

一方でアバウトな価格を知りたい場合は路線価を用いて簡単に見積もることが可能です。

他の記事でも国税局の路線価について解説していますのでご覧ください。

似たような言葉の借家権割合とは!

相続税理士相談Cafe

参考:相続税理士相談Cafe

借地権割合と似ている名前に「借家権割合」があります。借家権割合は貸家建付地や貸家建付借地権の相続時の評価で使用します。では、借家権割合とはどのようなものでしょうか?

まず借家権は、家屋などの建物を借りて使用する権利のことです。一般的に、貸主は、建物を貸している間、その建物の売却や、別の用途の変更などができず、行動を制限されるため、借主の持つ借家権には価値があると考えます。借家権割合は、簡単にいうと、建物の価値の中にどれぐらいの借家権の価値が占有しているかを表す割合です。現在、全国のほとんどの地域で一律30%となっています。

また、借家権割合も、国税庁が公表している財産評価基準書に記載されています。財産評価基準書のページで、該当する都道府県を選択すると目次のページが表示されます。その目次のページで借家権割合を選択すると、各地域の借家権割合が記載されています。

似たような言葉で借家権割合というものがあります。
まず前提として、借地権と借家権は異なるものだと認識していたほうがいいでしょう。

借地権について調べてる皆様については借家権についてはあまり関係ないかもしれませんが、似た言葉として混同してしまう方がいらっしゃいます。

まず別物だお認識していれば問題ありません。

借家についても知りたい方は別記事で紹介していきますので、
しばらくお待ちください。

借地権割合と底地割合とは

横浜不動産鑑定

参考:横浜不動産鑑定

底地割合とは何でしょうか?今までは借地権割合について解説していました。
よく対比される底地割合についても勉強していきましょう。

そもそも底地の鑑定評価を行う場面は限定されます。借地権者(借主)が底地の買い取る場合の鑑定評価のことをさします。
基本的には底地を第三者が買い取るということはありません。
なぜなら、借地権者所有の建物が存在していますから、底地を手に入れたからといって、土地を自ら利用できるわけではありません。地代はかなり安い(横浜市の住宅地では¥500/坪前後程度)のが一般的ですから、収益面からも殆ど期待しえません。仮に地代単価が¥500/坪であるなら、50坪の住宅地を貸して毎月の地代はたったの¥25,000にしかなりません。固定資産税・都市計画税を支払ったら、年額の純収益は一体幾らになるのでしょう?また、借地人との煩雑な関係を考えると全くの第三者が底地を買い取るメリットは少ないのです。
ただ、積極的に底地を買う人がいます。底地買取専門の不動産会社で、彼らは底地を地主から格安で買い受け、それを借地権者に売却して利益を出しています。これも、結局、借地権者が底地を買い取ることになるのですが。

以上より、底地の市場流通性は大きく劣るということになります。仮に、第三者が底地を買い取る場合には、低廉な地代を基礎にした収益価格が標準となるわけです。


また底地割合という言葉が使われます。
相続税の借地権割合が60%の地域であれば、底地割合は40%ということですが、第三者を前提とする市場価値(市場価格)は収益価格が標準となるため、40%には到底及びません。底地の市場価値(市場価格)は更地価格の10%に満たないと考えるのが現実的と言えます。

借地権者が底地を買い取る場合のみ、底地の価値が発揮されます。なぜならば、借地権者は底地を併合することによって、
土地・建物が完全所有権(借地権者は自由に土地・建物を処分・建て替え等ができる)に復帰し、借地条件により制約されていた潜在的土地利用の可能性(例えば、借地の目的が、居住用の木造2階建物利用と限定されていたものが、立地条件によっては中層のマンションの建築が可能になったり、店舗や事務所へ用途転換が可能であったり、コンクリート造の建物の建築が可能)となったりします。

鑑定評価のご依頼で底地の評価を頼まれることはありますが、第三者の取引を前提とする市場価値を評価するのか(正常価格)借地権者が底地の併合を前提に評価するのか(限定価格)、大きく求める価格が異なることに留意しなければなりません。
第三者を前提とする市場価値を評価する場合には、収益価格(理論的には将来期待される一時金の現在価値を加算する)を標準として評価する結果、上述のとおり低廉な価格になります。底地を第三者が買い取る場合は殆どありませんから、第三者間の底地の取引事例を収集するのは現実的に困難で、取引事例比較法は実務上、適用困難といえます。

このように底地と底地割合について解説しています。

底地は借地と密接にかかわっているた目を通しておくことをお勧めします。

例として、都心の商業地域等では、高い価値があると考えられるため、借地権価格も高騰する傾向があります。代わりに底地割合は低くなると考えられます。

反対に住宅が多い場所では、利用価値が低いと考えらえるため、同様に借地権価格も低くなり、
底地割合は高くなるといえるでしょう。

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