借地権の買取請求権について
借地権の買取請求権とはなにか?その権利、権利関係について説明します!
目次
借地人の借地の返還に伴う諸問題
借地人の借地の返還に伴う諸問題
当社は、借地人から借地の返還に関する相談を受けたが、その場合の対応として、借地人が貸主に対し、①借地権の買い上げを請求することができるか、②借地上の建物の買い上げはどうか、③借地上の建物の買い上げを請求する場合、話がまとまるまでの間の借地契約はどうなるか、④借地上の建物の買い上げを請求したが、貸主が代金を支払わなかったら、その買い上げのための契約はどうなるか。
事実関係
当社は不動産の媒介業者兼管理業者であるが、このたびある借地人から、借地の返還に関する相談を受けた。
話を聞くと、貸主は借地契約を更新してもよいと考えているのだが、借地人の方が、その土地でいくら商売をしても儲からないので、この際土地を返還したいと考えているというのである。
そこで当社は、当初、第三者への借地権付建物の譲渡を考えたが、その土地ではいくら広告をしても、買い手が見つからないだろうと思われたので、この際貸主(地主)に借地権を買い取ってもらうか、借地上の建物を買い取ってもらうことを考えた。しかし、そのようなことができるのか、その場合の権利関係がどうなるのかなどよくわからないことが多いので、まずはその点をはっきりさせたうえで、次の対応をとりたいと考えている。
質問
1. 借地人には、貸主(地主)に対し借地権を買い上げてもらう権利があるか。
2. 借地借家法によれば、借地人には貸主に対する「建物買取請求権」があるとされているが(同法第13条)、それはどのような権利か。
3. 借地人が「建物買取請求権」を行使するまでの間、借地契約はどうなるか。
4. 借地人が「建物買取請求権」を行使したが、貸主が代金を支払わなかったときは、その建物の買取り契約はどうなるか。
回答
1. 結 論
⑴ 質問1.について ― 借地人には、貸主(地主)に対し借地権を買い上げてもらう権利はない。しかし、当事者の話し合いの中で、貸主には、借主に対し土地の明渡しを求める「正当の事由」がないということで、貸主が借主に対し「立退料」を支払うということであれば、その支払いをもって、事実上の借地権の買い上げがなされたといえるケースも出てくるであろう。
⑵ 質問2.について ― 借地人の「建物買取請求権」は、借地契約が満了したにもかかわらず、当事者間に契約の更新がない場合に生ずる権利とされているので(借地借家法第13条第1項)、まさしく本件のように借主が更新を希望しない場合に生じるものと考えられる。そして、その「建物買取請求権」は「形成権(注)」とされているので、借地人が貸主に対し建物の買取りを請求した時に売買契約が成立したと同一の法律効果が生ずるとされている(後記【参照判例①】参照)。
(注) 「形成権」「とは、権利者の一方的な権利行使によって、現存する権利関係に一定の変更を生じさせることを作用とする権利のことである。「形成権」とされている権利の中には、本件の建物買取請求権のほかに、解除権や取消権、相殺権などがある。
なお、この場合の貸主の買取り価格は、建物の「時価」とされており、その時価には借地権の価格は含まれないとされている(後記【参照判例②】参照)。
⑶ 質問3.について ― 「建物買取請求権」は、当事者間に契約の更新がない場合に生じる権利であるから、本件のようなケースの場合には、借地契約は存続していないと考えられるが、借地権者が更新を請求したにもかかわらず、貸主が更新を拒絶し、後日「正当事由」が認められた場合などでは、その「正当事由」が認められるまでの間は、契約は継続していると解される。
⑷ 問4.について ― 借地権者の「建物買取請求権」の行使により、建物の売買契約はすでに成立していることになるので、代金を支払わない以上、買主(貸主)の債務不履行になる。しかし、買主の売買代金の支払いと売主の建物の引渡しとは同時履行の関係に立つとされているので(後記【参照判例①】)、売買代金の額やその支払条件等については、事前に当事者でよく話し合っておくべきである。
参照条文
○ 借地借家法第13条(建物買取請求権)
① 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
② 、③ (略)
参照判例①
○ 大判昭和7年1月26日民集11巻169頁(要旨)
借地法10条の買取請求権が行使されたときは、当事者間に地上物件につき時価による売買契約が成立したと同一の効果を生じ、当事者は互いに同時履行の抗弁権を有する。
参照判例②
○ 最判昭和35年12月20日民集14巻14号3130頁(要旨)
借地法10条にいう建物の時価とは、建物を取り壊した場合の動産としての価格ではなく、建物が現存するままの状態における価格であって、借地権の価格は加算すべきではないが、建物の存在する場所的環境を考慮して算定すべきものである。
実際にお客さんから受けた相談と、対応事例、それにかかわる条文と裁判例乗せたうえ解説しています!
建物買取請求権の行使
センチュリー21
建物買取請求権を行使することで、地主に時価で買い取ってもらうことが可能です。
【詳細解説】
借地権の存続期間が終了して契約更新のない場合、借地権者は借地権設定者に対して、建物その他借地権者が権原により土地に付属させた物を時価で買い取るべきことを請求することが出来ます(借地借家法13条1項)。
借地借家法13条1項:「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる」
借地契約が終了した場合、本来ならば借地人は建物を取壊し、更地にして返却しなければなりません。
しかし、使用に耐えられる建物を壊すことは社会経済的利益の保護及び借地人が建物のために投下した資本の回収が出来なくなってしまいます。
そこで借地人に「建物買取請求権」(借地借家法13条1項)を設けて借地に投下した資本の回収を可能にしました。
また間接的に地主に経済的負担をかけることによって更新拒絶をしにくいものにする効果ももっています。
それでは、どんな場合に「建物買取請求権」を行使出来るのか。
権利行使の要件は
①借地期間が満了したこと
②契約の更新がないこと
③借地上に建物があることである。
即ち、建物が存在し、借地契約の更新が出来なかった場合に建物買取請求権を行使することができます。
借地人が建物買取請求権を行使した場合、地主が買取を承諾しなくても、借地人の一方的な買取請求の意思が地主に通知されれば、それだけで強制的・自動的に建物の売買契約が成立します。
※このような単独の一方的な意思表示のみによって法律効果を生じさせることのできる権利を形成権と呼びます(※賃料の増減請求権も同様の形成権)。
通知は口頭、手紙、FAX等でも有効ですが、後日通知の有無で争いになることも考えられるので、内容証明郵便で通知する方が得策です。
地主(借地権設定者)は建物買取を拒否できず、建物を時価で買取ることになります。
どんなに古い建物であっても、建物に借家人が居住していても、建物に抵当権が付いていても地主は建物を買取ることになり、地主の所有物となります。
これによって、借地人は建物を解体し、更地にして返還する必要がなくなり、建物の解体費用も勿論、借地人が負担する必要がなくなる。
建物買取請求権を行使することで、地主に時価で買い取ってもらうことが可能です。
※買取価格について
買取価格の基準時は「建物請求権を行使した時点」での建物の買取価格である。
建物の時価は…
① 「建物が現存するままの状態における価格であって敷地の借地権の価格は加算すべきではないが、この建物の存在する場所的環境は参酌すべきものである」(最判昭35年12月20日)。
② 「建物自体の価格のほか、建物およびその敷地、その所在位置、周辺土地の関する諸般の事情を総合考察することにより、建物が現存する状態における買取価格を定めなければならない」(最判裁昭47年5月23日判決)。
つまり最高裁判決では、借地権価格自体を建物の時価に算入すること自体は否定していますが、場所的環境(場所的利益)として土地価格や借地権価格を考慮に入れて建物の買取価格を算定しているといえます。
※地主と借地人が合意の上で解約した場合
判例は「土地の賃貸借を合意解除した借地権者は買取請求権を有しない」(最判昭29年6月11日)としている。合意解除により借地人(借地権者)が買取請求権を放棄したものと解されています。
※地代不払い等の債務不履行や契約違反で契約解除された場合
判例は一貫して建物買取請求権を否定している(最判昭35年2月9日)。
これは債務不履行があった借地権者に建物買取請求権を認める必要性に欠けると判断したと考えられています。
こちらは借地権者の実際の事例について解説しています。また買取請求権についての詳細な説明がなされいます!
借地権の買取を求められたら
大家さんのためのお役立ちブログ
1.借地人は地主に対して借地権の買取を求める権利があるのか?
正確に言うと、借地人は、地主に対して、借地権の買取を求める権利はありません。
似たような権利として建物買取請求権というのがあります。
建物買取請求権についてはこちら
建物買取請求権は、
存続期間が満了した場合に契約の更新がないとき
借地権上の建物等が譲渡された場合において賃貸人が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないとき
に、借地人あるいは建物の譲受人が、賃貸人に対して、所有する建物を時価で買い取るべきことを請求する権利です。
2.「存続期間が満了した場合に契約の更新がないとき」とは?
存続期間が満了した場合に契約の更新がないときには、主に次の場合があります
借地人が借地契約の更新を請求したが、地主が更新を拒絶し、正当事由がある場合
借地期間満了後における土地の使用継続について、地主から有効な異議が述べられて更新が生じなかった場合
いずれも、地主が借地人による土地の使用継続を拒んでいる場合です。
一方で、借地人において期間満了で契約を終了させることを希望するなど、地主と借地人の間で合意解約する場合においては、建物買取請求権が発生するかどうかは様々な説がありますが、判例は、原則的には、発生しないとしています(最判昭29.6.11判タ41-31)。
3.「借地権上の建物等が譲渡された場合において賃貸人が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないとき」とは?
例えば、不動産会社が借地権付きの建物を借地人から買い取った場合、建物の所有権は不動産会社に移りますが、借地権については地主の許可がなければ譲渡・転貸することができませんので、自動的に不動産会社に借地権が移るわけではありません。
そして、この許可を得ることができなければ建物を取得しても、土地上に建物を占有する権原がないので建物を収去しなければならなくなりますので、そのような場合には、地主に対して、建物買取請求権が発生します。
また、特に承諾することで地主に不利となるおそれがないのにも関わらず、承諾しないような場合には、建物の買取に先立ち、借地人(元の賃借人)から、地主の承諾に代わる許可の裁判(「代諾許可の裁判」)を求める申立をされる場合があります。
こちらは大家さんの視点に立った記事になっています。不動産セミナーで講師をしている方のブログなので、非常に読みやすい内容です。
地主と借主どちらが借地上の建物を撤去しないといけないのか?
新宿中央法律事務所
「建物買取請求権」とは土地賃貸借契約が期間満了で終了し、または期間満了後の借地権者の土地使用継続に対し賃貸人が有効な異議を出して契約更新が生じなかった場合、その土地の上に建物が残っている場合、借主は貸主に対し、残っている建物を時価で買い取れと請求できる権利です。
もともとは、土地賃貸借契約が更新されない場合にまだ使える建物を収去することは不経済だからとか借主の投下資本の回収のためなどと教科書的には説明されますが、法律上は、借り主が望めば賃貸借契約はほぼ例外なく更新されますので、実際に機能する条文とは言い難かったのです。
しかし、近時、少子化の影響もあり、建物を持て余すということも生じるようになり、「建物買取請求権」の意外な利用法があるとして注目されることになります。
つまり、借り主がこの「建物買取請求権」を行使すると土地の貸主と借主との間で建物の売買契約が成立したことになります。地主は買取を拒否することはできません(このような一方の意思表示のみで効果が生じるものを「形成権」と言います)。
建物の売買契約が成立すると、その瞬間に、建物の所有権が地主に移転することになります。そのため、借地上の建物は地主の所有物となった以上、賃借人は他人の所有物である建物を収去する義務はなくなるというわけです。
したがって、賃貸借契約期間満了による終了時においては、事実上、地主が建物収去をしなければならないということになります。
こちらは実際にあったトラブルの解説になります。直近のどうこうを踏まえた解説になっていてわかりやすいです。
造作買取請求権とは
RE_gardens
造作買取請求権とは
「造作買取請求権」とは、建物の賃貸借契約が終了したときに、賃借人が建物に付加した「造作」について、賃借人が賃貸人に対して時価で買い取ることを請求する権利であり、借地借家法第33条に規定されています。
例えば「Aさんが、Bさんからマンションの一室を借りて居住していたところ、Aさんが部屋に新しいシステムキッチンを備え付けた」という事例において、一定の要件を満たせば、賃貸借契約が終了した際、Aさんは、備え付けたシステムキッチンをBさんに時価で買い取ってもらうことができます。
上記事例で、仮に造作買取請求権が無いとすると、Aさんは備え付けたシステムキッチンを収去して、部屋を元の状態に戻さなければなりません。しかし、その家に合わせて作った設備の場合、取り外しても別の家に付け替えることができず、使い道が無いということがしばしばあります。にもかかわらず、Aさんがシステムキッチンを収去しなければならないとすると、Aさんは収去費用を負担し、かつ、使い道のない設備だけが手元に残るということになります。
そこで、造作買取請求権を認めることにより、Aさんは、システムキッチンをBさんに時価で買い取ってもらうことで、システムキッチンの収去費用も不要になりますし、Bさんからシステムキッチンの代金も受領することができます。このように、造作買取請求権は賃借人を保護するための制度と言うことができます。
また、せっかく取り付けられた設備を取り外して処分することは資源的にも無駄が多いということで、そのような無駄を防ぐことも造作買取請求権の趣旨の一つである、と言われることもあります。
造作買取請求権の成立要件
造作買取請求権は、借地借家法33条に規定されているとおり、以下の①②の要件を満たすことによって成立します。また、借地借家法33条は、賃貸人と賃借人が合意すれば排除することができますので、以下の③も要件となります。
「建物の賃貸人の同意を得て造作を付加すること」
「建物の賃貸借が、期間の満了または解約の申し入れによって終了すること」
賃貸人と賃借人との間で、造作買取請求権を排除する旨の合意が無いこと
以下、各要件について簡単に説明します。
「建物の賃貸人の同意を得て造作を付加すること」
まず、「造作を付加すること」が要件となっていますので、備え付けるものは「造作」でなければ造作買取請求権は成立しません。
ここで「造作」とは何かというのが問題となりますが、古い判例の中で「建物に附加された物件で、賃借人の所有に属し、かつ建物の使用に客観的便益を与えるもの」とされています。
この判例に従うと、まず「建物に附加」されなければならないので、建物から独立した物(家具等)について造作買取請求権は成立しません。
次に、付加された物が「賃借人の所有に属し」なければなりません。例えば、賃借人が壁にペンキを塗ったというケースでは、付加した物(ペンキ)が建物と分離不可能となってしまいます。このような場合、ペンキの所有権は賃貸人に移ってしまうため(「付合」といいます)、造作買取請求権は成立しません。なお、この場合は、別途ペンキ代の精算という問題は生じます。
判例では、ガス設備、配電設備、シャワー設備等が「造作」とされており、その他、クーラーやシステムキッチンなども「造作」に当たると思われます。
そして、造作買取請求権が成立するためには、「建物の賃貸人の同意を得」ることが必要ですから、上記の例で見ると、Aさんは、システムキッチンを備え付けることについて、Bさんの同意を得ることが必要となります。
「建物の賃貸借が、期間の満了または解約の申し入れによって終了すること」
次に「建物の賃貸借が…終了すること」が要件となります。上記の例で見ると、Aさんは、賃貸借契約が終了するまでは造作買取請求権は行使できません。よって、Aさんは、借りた家に住み続けながら、「このシステムキッチンはもう使わないから買い取ってくれ」とは言えません。
そして、賃貸借契約の終了原因は、「期間の満了または解約の申し入れ」によることが必要です。例えば、Aさんが賃料の不払いを起こして、Bさんから建物賃貸借契約を解除された場合、賃貸借契約は終了しますが、Aさんは造作買取請求権を行使できません。
賃料を支払わずに契約を解除されたような場合まで、Aさんを保護して権利を認める必要はないからです。
賃貸人と賃借人との間で、造作買取請求権を排除する旨の合意が無いこと
最後に「賃貸人と賃借人との間で、造作買取請求権を排除する旨の合意が無いこと」が必要です。
上記の例で、「この建物はAさんに貸してあげるけれども、賃貸借契約の途中でAさんが造作を付けたとしても、造作買取請求権は行使できないこととする」という合意がAB間でなされると、Aさんは、上記①②の要件を満たして造作を附加したとしても、造作買取請求権は行使できません。
賃借人保護という観点からは、このような賃借人に不利な合意を認めるべきでは無いのではないか、とも思えます。たしかに借地借家法は、賃借人保護という観点から、一定の条項については、法律の規定以上に賃借人に不利な合意をしても無効であると規定しています(法30条、37条)。そうしなければ、法律で賃借人を保護した意味が薄れてしまうからです。
しかしながら、造作買取請求権については、権利を排除する合意は無効とはなりません。これは、造作買取請求権を排除できないとすると、賃借人が造作を取り付けようとしたときに、賃貸人からの同意が得られにくくなって、かえって不便であるため、等の理由が挙げられます。上記の例で見ると、Aさんがシステムキッチンを付けたいと思ってBさんに同意を求めたところ、Bさんは、「最後に自分がシステムキッチンを買い取るのは嫌だから、設置は認めないことにしよう」と考えて、設置に同意しないということが起こりうるという考えで、そのような合意を無効としていた旧借家法から改正されました。
借地権の買い取り請求の中の、造作買取請求権について弁護士の方が解説しています。
現在では造作買取請求権でのもめごとは少なくなってきているものの、勉強しておいて損はない項目です。
契約を行う際の人におススメです!
相談事例
借地権の窓口
<相談内容>
地主から次回の更新はしないと言われた。建物を買い取ってもらうことは出来ますか?
<回答>
借地権の地主からの借地契約更新拒絶には、地主側に正当な理由(自己居住用として使用するなど)が無ければ認められませんが、地主の事情で、更新できない場合、借地権者は地主に対し、建物を妥当な評価のもと買い取ってもらう「建物買取請求権」というものが存在しています。
こちらの権利を行使すれば問題ないでしょう。
<解説>
・建物買取請求権とは?
借地契約は、定期借地権を除き、借地契約期間が満了しても地主が意義を唱えない場合は、更新されるのが通常です。ただし、更新料の支払いなどの金銭授受が必要となる場合が殆どです。
しかし、地主の事情で借地権者の意図と反し、更新が出来ない場合があります。通常、借地契約終了の際には、民法による原状復帰の原則に基づき、借地権者が建物を取り壊し更地にする事が求められます。しかしこの場合、借地権者が借地契約で認められた権原で建てた建物を、地主の事情で、解体の費用をしゃくち権者が負担すると言うのは、不条理と言わざるを得ませんので、借地権者が地主に対して時価での買い取りを求めることができる「建物買取請求権」という権利があり、借地権者は買い取りを求める時点での適正な価格(時価)を地主に対し請求することができます。
・合意解除の場合は注意!
建物買取請求権は、あくまで借地権者の意図に反し、更新が出来ない場合に認められたものですので、借地契約が、借地人の債務不履行で解除された場合や、借地契約の期間中に合意解除された場合には、買取請求権は発生しません。
いわば、地主の事情の場合のみで、借地権者の事情で更新をしなかったり、借地権を解除しようとする場合には適用されませんので注意してください!
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借地権つきの家に住んでる方でよくあるトラブルが、地主による更新しないといわれるパターンです。
そのような場合はどうすればいいのか解説しています。
地主の事情による場合は買取請求権というものが発生し、買取をしてもらうことが可能です。
合意による更新なしの場合はこのケースにあてはまりませんが、覚えておいて損はないでしょう。
また使っていない借地権については、売却を検討して見てもいいかもしれません。
このサイトでも紹介している買取業者さんなどに相談してみてはいかがでしょうか。