借地権価格の計算方法
借地権の価格や、相場については誰もが気になるところです。
相場などはどのように計算しているのでしょうか?
借地権を相続した方など気になる方はぜひ記事を参考に自分で、概算を算出してみてはいかがでしょうか?
目次
借地権の評価額の算出方法
阿部恵子行政書士事務所
借地権割合と借地権の相続税評価額について解説します。
路線価と借地権割合によって算出された借地権や底地の評価額は相続税の算出のベースとなる価格であって、実際の底地や借地権の売買ではその状況に応じて大きく変わっているのが現状です。
そもそも借地権割合とは地主さんから賃貸借契約にて土地を有償で借り、自宅を建て登記している場合、その土地を使用できる権利として借地権が発生いたします。借地権は財産のひとつですので、相続や贈与の場合は課税の対象となります。その財産の評価をする為に国税局が各地域ごとに借地権割合を設定しております。
一般的には、地価の高い地域ほどその割合も高くなり、東京の商業地では80%~90%、住宅地では60%~70%程度の割合の場合が多いようです。
借地権の相続税課税評価額はについては以下の式になります。
借地権価格 = 自用地としての評価額 X 借地権割合
注)自用地としての評価額とは市街化地域の宅地の場合は路線価に対して、
土地の形状や道路付等の状況を加味して評価額が決定されます。
例:8,000万円の評価額で借地権割合がC(70%)の場合)
5,600万円 = 8,000万円 X 70%
借地権を地主さんにや第三者に売却する場合や底地を買い取る場合に借地権割合を目安に価格交渉がなされますが、路線価に借地権割合を乗じて算出された借地権の評価額が絶対的なものではありません。あくまでも相続税を算出する尺度の一つであるとお考えたほうがよろしいかと思います。地主さんとの関係や土地の場所等状況に応じてその価格は大きく変動致します。
行政書士さんが実際の計算方法や路線価図と借地権割合の見方について解説しています。
国税局のホームページに載っているの情報ですが、初めて見る方は戸惑うかもしれません。
そういった方はぜひ参考にしてください。
また簡単な計算例も載っているので参考になります。
詳細な借地権価額の算定方法
神奈川県宅地建物取引業協会
【問】 借地権付き建物の購入を検討しています。建物価額は見当がつきますが、
借地権の価額を査定するための目安はありますか。
【答】
1 正確な借地権価格の算定を行う場合には、不動産鑑定士に鑑定をしてもらうこ
とになりますが、簡易に借地権価格を算定する方法として、路線価格から公示価
格を割り出し、借地面積と借地権割合をかけて算定する方法があります。
2 路線価は、一般的に公示価格の8割程度といわれています。従って、路線価を
0.8で割り戻せば公示価格を算出することができます。
3 借地権価格の理論的な値段
例えば、路線価格1㎡20万円、借地権割合60%(D地区)の土地150㎡
を借りている場合の借地権価格の算定は以下のとおりとなります。
【試算例】
1) 1㎡20万円×150㎡=3000万円(路線価)
2) 3000万円÷0.8=3750万円(公示価格)
3) 3750万円×60%(借地権割合)=2250万円(借地権価格)
4 借地権の実際の取引価格
1) 上記のように理論的には 2250万円という借地権価格が算定できますが 、 、
この値段で建物価格を加えて、実際に売ろうとしても誰も買い手が付かないの
が実情です。
2) 上記のとおり理論的な価格は算定できても、借地権を買った者は、地代の増
減について地主との交渉が必要ですし、増改築禁止特約付きの契約であれば建
替えについて地主の承諾が必要となります。また、借地権の売買には地主の承
諾が必ず必要になります。
3) 要するに、借地権はその利用や処分について制約があり、なかなか上記の理
論的な価格で売れないのが実務です。状況により異なりますが、せいぜい上記
の理論的な価格の半額プラスアルファ程度での売却になるのではないかと思わ
れます。
4) さらに、借地権の取引では次に述べる、譲渡承諾料・建替承諾料・更新料な
どを売主・買主どちらが負担するかも、実際の売買価格の問題に影響します。
5 現在世の中に存在する借地権は、契約により設定された土地利用権であり、こ
れは契約上の地位であるため、その譲渡をするには法理論上契約の相手方である
地主の承諾が必要となり、地主に譲渡承諾料を支払う必要があります。その譲渡
承諾料の相場は、借地権価格の10%程度になるのが通常です。
6 さらに、借地上の建物が古い場合には、買主は建替えができることを条件に購
入することが多いので、増改築禁止特約があると、譲渡前に地主から建替承諾を
もらう必要があり、その場合の承諾料は木造から木造への建替えの場合、通常、
更地価格の3%程度とされています。
7 なお、借地権の譲渡にあたり、地主から建替えの承諾を受け、かつ借地契約期
間の延長(更新)を行う場合には、地主から更新料の支払いを求められることが
あります。この場合の更新料については、確たる相場はありませんが、更地価格
の3%~5%程度の範囲内で協議により決まる例が多いといえます。
8 したがって、このように、譲渡承諾料・建替承諾料・更新料等の地主との関係
を調整するために必要な費用を売主・買主どちらが持つかということが、借地権
の譲渡価格に影響することを考えて協議しなければなりません。
先ほどの例は簡単な例でしたがこちらは本格的な試算例を出しております。
あくまで簡易的なものではありますが、路線価、借地割合だけでなく、土地面積まで計算している算出しています。
以下の計算式を具体的な数値で計算しています。
路線価 × 土地 × 借地権割合 = 評価額
借地権割合について
よつば総合法律事務所
借地権割合とは、土地の権利のうち、借地権の割合のことです。借地権が設定されている場合、土地は借地権と底地権に分けられるので、中でも借地権の割合がどのくらいになるのかを決めることができます。
借地権割合+底地権割合=1になります。
借地権割合は、全国の土地によって異なる割合が定められています。
たとえば、東京都の住宅地では借地権割合が60~70%程度になることが多く、商業地では80~90%程度になることが多いです。
借地権割合は、国税庁のホームページの路線価と評価倍率表の基準内に掲載されています。
借地権価格を計算するときには、土地の評価額に借地権割合をかけ算します。
また借地権価格は、どのようなケースで必要になるのでしょうか?
多いのは、借地権の相続をする場合です。被相続人が借地権を持っていた場合、借地権も相続の対象になります。すると、相続税の計算のため、借地権の評価が必要になりますが、このときに借地権価格を計算しなければならないのです。借地権価格が高額になると、相続税支払いが発生したり、高額になったりする可能性が高くなります。
借地権割合の概念について解説しています。
こちらは借地と底地について多少の知識が必要になりますが、土地を借地と底地に分け100%のなかでの割合になります。
またどういったタイミングで必要になるかも説明しています。
主に相続した方が見ているかと思いますので参考にしてください。
土地の評価方法の種類について
石橋税理士事務所
土地の評価には、大きく分けて次の2つの方法があります。
・路線価方式
・倍率方式
倍率方式とは、言葉は大変悪いのですが、
「地方なので、いちいち税務署は路線価を付けられない。なので、地元の役所が計算した固定資産税評価額を使って計算しよう」
という方法です。
倍率方式で評価する土地(路線価がついていない土地)ですが、路線価方式と同じく、まずは国税庁のホームページを見てみましょう。
なお、路線価方式と同じ注意点ですが、相続税の土地計算は、亡くなった年(相続が開始した年)で計算しますので、平成27年にお亡くなり方の相続税を計算する場合は、「平成27年分」をクリックします。
倍率方式の土地は、計算自体はとても簡単です。
「固定資産税評価額×倍率」
要するに、固定資産税評価額(地元の役所が固定資産税をかけるために計算した土地の価額」に、一定の倍率を乗じて計算するだけです。
そして、地域と地目を調べます。
もし、この土地が「宅地」であれば、「上記以外の地域」にあることになりますから、画面内の「1.1倍」で計算します。
上記解説は路線価方式について解説しています。
あまりなじみはないともいますが、倍率方式というものも存在しています。
倍率方式について税理士が解説しております。
なかなか聞かない言葉や、解説しているサイトが少ないため参考になります。
また後程紹介するツールでの見方も図説入りで解説しているので参考にしてください。
簡単に調べるツール
国税庁
この財産評価基準は、平成29年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによります。
こちらは国税庁が作成しているツールになります。
路線価図を地図から調べたり、倍率方式の土地の場合や、その土地の用途によって簡単に調べることができます。
ある程度知識がある方なら、こちらのサイトで価格を調べることによって、
相続する借地権の評価額が概算で調べることが可能です。